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あらゆる悩みを解決する鍵


人の心は、親や社会から刷り込まれた観念や、自分の過去の経験によって、

条件づけられています。

何かに接した時、どのように考え、どのように感じ、どのように判断するか、

ある決まった反応のパターンが形作られている、ということです。

ひとたびパターンが形成されると、心はそれを何度も反復するようになります。

それは、心地よい反応にかぎりません。

自分を落ち込ませたり惨めにしたりするような反応でも、

何度も繰り返すようになるのです。

そして、ほとんどの人は、

そのような条件づけられた反応のパターンにすっかり同一化しています。

条件づけられた思考や感情を、自分そのものだと信じこんでいるわけです。

あなたはそうした反応に同一化しているので、

それが止まったら、自分は存在できなくなると感じます。

だから、たとえ自分を惨めにする反応であっても、

それを反復することを心はやめられないのです。

しかし、実は、あなたは条件づけられた反応を超えています。

あなたは、純粋な意識だからです。

心の反応は条件づけられていますが、意識はまったく条件づけられていません。 意識は自由なままです。 あなたに問題が生じるのは、あなたを悩ます思考や感情に同一化しているためです。 同一化を断ってしまえば、問題は問題でなくなります。 たとえば、落ち込みや寂しさ、悲しみや怒りといった反応がやって来た時、

“これもまた過ぎ去る”ということを忘れずにいれば、

ふいに、それらの反応からあなたは切り離されます。 辛い反応がやって来た時は、抵抗せずにやって来させましょう。 ただ、“これもまた過ぎ去る”ということを覚えていさえすればいいのです。 そのうち、次第に、あなたと反応のあいだに距離が生まれてきます。 あなたはもう、反応と自分を同一化していません。 たとえ辛い痛みが続いているとしても、その周りには空間が生じているでしょう。 この空間は、暖かみを帯びた不思議な安らぎと静けさをもたらしてくれます。

ですから、あなたを苦しめている問題が劣等感だろうと不安だろうと緊張だろうと、

それらの反応パターンとの同一化を断ってゆけば、

意識としてのあなたはすべての反応を超えている、とわかるようになります。

そうなれば、心に条件づけや過去の傷が残ってはいても、

あなたはそれに関心を払わずに、離れていられるでしょう。

同一化を断つということ、これこそがあらゆる悩みを解決する鍵なのです。

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